定年退職前の準備(年金)
年金の見込み額を試算する
定年退職後の生活設計において、年金がいつから、いくらもらえるかということは非常に重要ですので、定年退職前にあらかじめ以下のような方法で確認する必要があります。
できれば、ご自分の年金額と同時に配偶者の方の年金記録も調べてみましょう。
「ねんきん定期便」を確認する
59歳を迎えると、日本年金機構から、上記のように、本人宛に直接「ねんきん定期便」が届きます。
59歳で送られてくる「ねんきん定期便」が、日本年金機構からの送付により、加入歴を確認できる最後のチャンスとなります。
ねんきん定期便の記載内容
- これまでの年金加入期間
- 老齢年金の年金見込額
- (参考)これまでの保険料納付額
- これまでの年金加入履歴
- これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況
- これまでの国民年金保険料の納付状況
必ず記載内容を確認し、間違いがあれば、日本年金機構で調査してもらいましょう。
間違いをそのままにしておくと、将来の受給額が大きく変わる場合があります。
年金事務所等に行って調べる。
年金手帳(配偶者の分も含む)と認印が必要になります。
インターネットで調べる。
日本年金機構の「ねんきんネット」から自分の年金額が試算できます。
年金の確認には、「ねんきんネット」が便利です。
ねんきんネットにより、下記のような様々な年金記録が確認できます。
- 年金加入記録の照会
- 年金見込額の試算
- 持ち主の分からない記録の検索
- 電子版「ねんきん定期便」
- 各種通知書の確認など
くわしくは ⇒ ねんきんネット
年金手帳の有無を確認する
年金手帳は年金受給の手続きに必要ですので、自分の年金手帳があるか最初に確認しておきましょう。
お勤めの方は、会社が保管しているケースもあります。
年金手帳は、基礎年金番号、被保険者証を取得した年月日、住所、氏名などが記載されています。
このうち基礎年金番号は一生変わることはありません。
日本年金機構、及び全国各地にある年金事務所では、その基礎年金番号を使って被保険者のデータを引き出せるようになっています。
「雇用保険被保険者証」の有無を確認する
年金受給申請の手続きに必要となる「年金請求書」には、雇用保険被保険者番号を記載する欄がありますので、雇用保険被保険者証を確認しておきましょう。
雇用保険と年金は直接関係がないようですが、退職後に失業手当を受給すると、年金が支給停止になりますので覚えておきましょう。
職歴表(履歴整理表)を作成する
何回も転職をされている方は、事前に職歴表(履歴整理表)を作成することをお勧めします。
転職していてもその都度厚生年金に加入していればよいのですが、自分が若い頃に勤めていた会社を忘れていたり、 勤めていた会社が厚生年金に加入していなかったりすることがあります。
職歴表(履歴整理表)は、年金の受給の際に提出する「年金請求書」を作るときに非常に役に立ちます。
年金を受け取るときに必要な年金請求書には、過去に勤めていた会社の名称や所在地、在職期間、国民年金加入の有無について正確に記入する必要があるのです。
このデータが年金額を決定しますので、加入経歴を忘れると受給する年金が減ってしまう可能性があります。
ですから、下記のようなメモ程度の簡単な職歴表(履歴整理表)を作っておくとよいでしょう。
会社名 | 所在地 | 期間 |
---|---|---|
○○有限会社 | ○○県○○市○○○○ | 昭和○年○月~昭和○年○月 |
△△株式会社 | △△県△△市△△△△ | 昭和○年○月~昭和○年○月 |
「私の履歴整理表」の利用もできる!
実は、年金事務所には、上記のように職歴をまとめるための、「私の履歴整理表」というものが準備されています。
「私の履歴整理表」は、これまでの勤務先、住所等をご記入し、整理することで、年金記録を見るだけでは気づかなかったことを思い出すためのものです。
また、ねんきんネットにログインすることで、「私の履歴整理表」を入力することもできます。
ただし、ねんきんネットの「私の履歴整理表」は入力項目が多すぎて煩雑なので、個人的にはご自分で職歴表を作られることをおすすめします。
私の履歴整理表のエクセルダウンロードはこちら
特別支給の老齢厚生年金と失業手当を比較する
老齢基礎年金は、原則として65歳から支給されますが、老齢厚生年金は、「特別支給の老齢厚生年金」として60歳から64歳まで支給されます。
(今後は生年月日によって、段階的に「特別支給の老齢厚生年金」の支給がなくなり、最終的には老齢厚生年金も65歳からの支給になります)
65歳未満で「特別支給の老齢厚生年金」と雇用保険の失業手当(基本手当)が同時に受けられる場合は、「特別支給の老齢厚生年金」が支給停止となります。
一般には失業手当の方が年金額よりも高額だとは思いますが、人により様々ですので、念のため失業手当の額をおよそ計算して年金額と比べてみましょう。
関係機関の所在地を確認する
加入していた年金制度によって年金の請求(年金請求書)の提出先が異なりますので、下記を参考にして所在地を確認しておきましょう。
加入年金制度 | 提出先 |
---|---|
複数の年金に加入して、最後が厚生年金に加入 | 最後に勤務していた事業所を管轄する年金事務所 |
複数の年金に加入して、最後が国民年金(共済組合)に加入 | 住所地を管轄する年金事務所 |
国民年金のみ加入 | 市区町村役場の国民年金の担当窓口 |